「山岳植生と地球環境変動」をテーマに開いた国際シンポジウム |
信大山岳科学総合研究所(松本市)は5日、「山岳植生と地球環境変動」と題した国際シンポジウムを松本市の信大理学部で開いた。オーストリア・ウィーン大から招いた教授と日本人の研究者計5人がヨーロッパアルプスや富士山の植生の変化などについて報告、集まった約100人が耳を傾けた。
ウィーン大のハラルド・パウリ教授は「高山の植物は気温で生息地が制限されており、3度高くなると植物の生息適地は400〜500メートル、5度高くなると約800メートル上がる」と説明。オーストリアの3千メートル峰の山頂付近では1994年から2004年の間に、草地性の植物が増え、雪のある場所に生える植物が減ったとの調査結果を挙げ、「温暖化の影響の可能性がある」と話した。
静岡大の増沢武弘教授は、富士山山頂周辺の永久凍土の下限が「1976(昭和51)年から98年の間に約100メートル高い標高3200メートル付近まで上昇した」と紹介。同時に、南極以外では富士山頂のみで確認されているというラン藻と共存するコケの一種が減少、以前は山頂では見られなかったコケや地衣類以外の植物も侵入していると説明した。「温暖化で、日本の高山植物も標高の低いところの植物に追いやられる可能性がある」と指摘した。